男性育休が初の50%超え
2026年7月末、男性の育児休業取得率が過去最高の50.9%となり、統計開始以来はじめて50%を超えたことが公表されました。数字だけを見て「もう当たり前になったのか」と感じた経営者・人事労務のご担当者も多いかもしれません。この記事では、この数字が意味すること、男性はどうやって育休を取るのか(産後パパ育休や給付のしくみ)、そして会社としての受け入れ準備までを、中小企業の目線で整理します。
男性育休が初の50%超えニュース
厚生労働省の最新の調査(2025年度)で、男性の育児休業取得率は50.9%となりました。前年度から10.4ポイントの大幅な上昇で、上昇は10年以上連続しています。政府が掲げてきた「2025年までに50%」という目標に、ちょうど到達した形です。
事業所の規模別に見ると、従業員5〜29人の小規模事業所でも42.9%(前回25.1%)まで伸びており、大企業だけの動きではなくなってきました。「うちのような小さな会社には関係ない」とは言いにくい状況になっています。
男性の育児休業の取り方|2つの制度
男性が使える育休には、大きく2つの枠があります。
1. 通常の育児休業
原則として子が1歳になるまで取得でき、2回に分けて取ることもできます。保育所に入れないなどの事情があれば、最長2歳まで延長できます。
2. 産後パパ育休(出生時育児休業)
子の出生後8週間以内に、最大4週間(28日)まで取得できる、男性向けの制度です。2回に分割でき、労使協定を結んでいれば、休業中に一定の範囲で就業することも認められます。母親の産後の回復期に父親が集中して関われるよう設けられた枠で、通常の育休と組み合わせて使えます。
たとえば「出生直後に産後パパ育休を2週間、少し先に通常の育休を2週間」といった柔軟な取り方が可能です。まとめて長く休むのが難しい職場でも、分けて取ることで現場の負担を調整しやすくなります。
気になるお金|給付で手取りはどのくらい残るか
「収入が減るのが不安で取りにくい」という声は根強いものです。実際には、雇用保険から給付が出ます。
- 育児休業給付金:休業開始時の賃金の67%(180日目まで)、その後は50%が支給されます(産後パパ育休には出生時育児休業給付金が同率で支給)
- 出生後休業支援給付金(2025年4月から新設):両親がともに育休を取るなどの要件を満たすと、最大28日間、13%が上乗せされます。これにより給付率は67%+13%=80%になります
これらの給付は非課税です。あわせて、育休中は一定の条件を満たすと社会保険料も免除されるため、上乗せが受けられる期間は手取りで見ると実質10割程度になり、「休むと家計が苦しくなる」というハードルはかなり下がっています。
ただし、社会保険料の免除には条件がある点に注意が必要です。毎月の保険料は、その月の末日が育休期間中であるか、同じ月に14日以上の育休を取った場合に免除されます。賞与にかかる保険料は、賞与の月の末日を含んで連続1か月を超える育休を取った場合に限られます。そのため、月末をまたがない短い取り方や、賞与月の短期取得では、想定したほど免除されないことがあります。取得のタイミングによって手取りは変わるため、会社としては、給付とあわせて免除の条件も正しく案内できると、社員の安心につながります。
すぐ使える|男性育休の受け入れチェックリスト(会社側)
☐ 妊娠・出産の申し出があったら、育休制度を個別に周知し、取得意向を確認した ☐ 産後パパ育休・分割取得・給付(手取りの目安)を本人に案内した ☐ 取得期間中の業務の引き継ぎ・代替要員を調整した ☐ 育休の申出書・社内の手続き様式を用意した ☐ 自社の男性育休取得率を把握した
制度の周知や就業規則(育児・介護休業規程)の整備、取得率の算定や公表でつまずいたら、当事務所の相談事例もご参照ください。お問い合わせからお気軽にご相談いただけます。
まとめ
男性育休の50.9%という数字は、「配偶者が出産した男性のうち育休を取った割合」であり、取得が着実に広がっていることを示しています。小規模な会社でも取得率は伸びています。会社に求められるのは、産後パパ育休や給付の仕組みを正しく伝え、休みやすい段取りを整えることです。まずは、直近で子どもが生まれた男性社員に制度をきちんと案内できているか、この機会に見直してみてはいかがでしょうか。
「男性から育休を申し出られたが、手続きや給付の説明に自信がない」「取得率の公表が必要かわからない」という経営者・ご担当者の方へ。
Jinji社会保険労務士法人では、育児・介護休業規程の整備、産後パパ育休や給付金の手続き、取得率の算定・公表まで、貴社の状況に合わせてご相談を承っています。まずはお気軽にお問い合わせください。
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参考
- 厚生労働省「雇用均等基本調査」(男性の育児休業取得率)
- 厚生労働省「育児・介護休業法について」
- 厚生労働省「男性労働者の育児休業取得率等の公表について(リーフレット・PDF)」

