【要注意】育児時短就業給付金、もらえると思っていたのに受け取れないケースとは?
2025(令和7)年4月1日からスタートした「育児時短就業給付金」。2歳未満のお子さんを育てながら時短勤務をしている方への給付制度ですが、会社の給与支払いルールや退職のタイミングによって、もらえると勘違いしやすケースが存在します。本記事では、特に注意すべきポイントをわかりやすく解説します。
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【勘違いしやすいケース】「翌月払い」の会社は最終月の給付金がもらえない!?
給与が「当月締め・翌月払い(末締め翌15日払いなど)」の会社にお勤めの方は注意が必要です。時短勤務の最終月分に対する給付金が受け取れないという事態が起こり得ます。
なぜ受け取れないの?
育児時短就業給付金は、「いつ働いたか」ではなく、「支給の対象となる暦月の中で、実際に支払われた賃金」をベースに計算するルールがあります。また、支給対象期間は原則として「時短勤務を開始した月から終了した月まで」です。
【具体例】6月30日いっぱいで時短勤務を終了した場合(子が2歳に達する前に終了したとするケース)
- 支給対象期間は「6月」まで
- 翌月払いの場合、6月分の給与が支払われるのは「7月」
- 7月はすでに支給対象期間外 → 最終月分の給付金が丸ごと受け取れない
当月払いであれば6月中に給与が支払われるため問題ありませんが、翌月払いでは対象期間外の月に支払われた賃金は計算に含めないというルールにより、支給対象となりません。
その他の注意すべき2つのポイント
① 残業や賃金増加で給付金が減る・もらえなくなることがある
給付金は「その月に実際に支払われた賃金」をベースに計算されます。残業代などで賃金が増えると、以下の仕組みで給付金が段階的に減っていきます。
| その月の賃金の水準 | 給付金への影響 |
|---|---|
| 時短開始前の賃金の90%以下 | 給付率10%で通常通り支給 |
| 時短開始前の賃金の90%超〜100%未満 | 給付率が10%から段階的に下がる(賃金が増えるほど給付金は減少) |
| 時短開始前の賃金の100%以上 | 給付金は不支給(0円) |
| 支給限度額(471,393円)以上 | 給付金は不支給(0円) |
| 算定された給付金が最低限度額(2,411円)以下 | 給付金は不支給(0円) |
※支給限度額(471,393円)・最低限度額(2,411円)は2025年8月1日〜2026年7月31日までの金額です。毎年8月1日に改定されます。
時短勤務中に残業を求められた場合は、給付金への影響も考慮したうえで対応することをおすすめします。また、月の途中から復帰した場合など給与支払い額が少ない月も、最低限度額のルールに引っかかり不支給となる場合があります。
② 雇用保険の資格を失うと対象外になる(退職・労働時間の変化に注意)
この給付金は雇用保険の被保険者であることが前提です。以下のケースでは受給資格を失います。
- 月の途中で退職した場合:支給条件に「月の初日から末日まで雇用保険に加入していること」があるため、月途中の退職はその月が対象外になります。退職を検討している場合は、退職日を月末に設定することで損を防げます。
- 週20時間未満の契約になった場合:時短勤務により1週間の所定労働時間が20時間未満になると、原則として雇用保険の加入資格自体を失い、給付金の対象外となります。ただし、就業規則等で「小学校入学までに週20時間以上に戻ること」が確認できる場合は例外として対象になります。
まとめ
育児時短就業給付金は、時短による収入減を一部補填する制度です。給付率は賃金の10%と、減少分をすべてカバーするものではありません。残業や退職タイミング、給与の支払いサイクルによっては受け取れない月も出てきます。「もらえたらラッキー」くらいの気持ちで構えつつ、基本ルールを押さえておくのが賢い付き合い方です。
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