【重要】育児休業給付金がもらえない!?「加入期間12カ月」の壁に要注意

せっかく育休を取得しても、「育児休業給付金が1円ももらえない」というケースがあることをご存知でしょうか。
2025年4月の法改正により、給付率が実質手取りの10割まで引き上げられるなど、制度は手厚くなっています。しかし、受給するための「雇用保険の加入期間」という大前提を満たしていなければ、どれだけ制度が拡充されても対象外となってしまいます。
今回は、意外と見落としがちな「受給資格の落とし穴」について詳しく解説します。
1. 「加入期間12カ月」の正しい数え方
育児休業給付金を受け取るためには、原則として以下の条件を満たす必要があります。
「育休開始前2年間に雇用保険の加入期間が12カ月以上あること」
ここで注意が必要なのは、「単に会社に12カ月在籍していればいい」わけではないという点です。
ポイントが3つあります。
ポイント①:「完全月」で数える
「完全月」とは、育休開始日の前日から1カ月ごとに区切った期間のことです。暦月(1日〜末日)ではありません。
たとえば9月14日に育休開始なら、「8月15日〜9月14日」が1つの完全月となります。入社直後の方は、この区切り方によって1カ月分がカウントされないケースがあるため注意が必要です。
ポイント②:「1カ月」とカウントされる基準
その完全月の中で、以下のいずれかを満たす月が「1カ月」としてカウントされます。
- 賃金支払の基礎となった日数が11日以上ある
- 上記を満たさない場合でも、就業した時間数が80時間以上ある
つまり、時短勤務やシフト勤務で出勤日数が少なくても、労働時間が月80時間以上あればカウントされます。この「80時間ルール」は意外と知られていない救済規定です。
ポイント③:満たさない月は「0カ月」扱い
欠勤などで「11日未満かつ80時間未満」の月は、たとえ在籍していても「0カ月」として扱われます。
- 「1カ月」とカウントされる基準:その月の間に「賃金支払の基礎となった日数」が11日以上ある月を1カ月と数えます。
- 時短勤務や欠勤がある場合:出勤日数が少なかったり、欠勤などで給与支払日数が11日に満たない月は、たとえ在籍していても「0カ月」として扱われます。
2. 特に注意が必要なケース
以下に当てはまる方は、受給要件を満たせないリスクがあるため、早めの確認が必要です。
① 転職して間もない方
今の会社に入社して12カ月経っていなくても、前の会社の期間を合算できる場合があります。ただし、以下の場合は合算できません。
- 前職の退職から現職の入社まで、空白期間が1年を超えている場合
- 前職を辞めた際に、失業保険(基本手当)を受給した場合
② 新卒入社1年目での出産
新卒で入社し、1年経たないうちに産休・育休に入る場合、加入期間が12カ月に届かず、給付金が支給されないケースが発生します。
③ 非正規雇用(パート・アルバイト)の方
雇用保険に加入していても、シフトの関係で「月11日以上かつ80時間以上」のどちらも満たせない月が多いと、12カ月分の期間を稼ぐのに時間がかかってしまいます。
④ 連続して2人目・3人目を出産する方(4年遡りルール)
育休や病気・ケガ等で30日以上賃金が支払われなかった期間がある場合、算定対象の「2年間」を最長4年間まで延長できる救済措置があります。
ただし、第1子・第2子と連続して育休を取得し、さらに第3子の育休に入る場合は、4年遡ってもカウント可能な月が不足するケースがあります。この場合、第1子または第2子の育休終了後に職場復帰して1年以上就労する必要があります。
3.Jinjiからのアドバイス
もし受給資格がない場合、育休中の収入は文字通り「ゼロ」になります。社会保険料の免除制度は育休そのものを取得していれば適用されますが、経済的な柱となる給付金がない状態での育児は、生活設計に大きな影響を及ぼします。
「自分はもらえるはず」と思い込み、いざ申請の段階になってもらえないことが判明.....という悲劇を避けるためには、妊娠がわかった段階での正確な加入期間の確認が欠かせません。人事・総務のご担当者様は、ぜひ確実に押さえておきましょう。

