【通勤手当の非課税限度額が引き上げ】2025年4月に遡及適用、年末調整にも影響
2025年11月19日付の官報で、改正所得税法施行令が公布され、通勤手当の非課税限度額が引き上げとなりました。
■ 国税庁からの案内
国税庁は、「通勤手当の非課税限度額の改正について」という専用ページを公開し、今回の改正内容を詳しく案内しています。以下の資料が提示されています。
また、改正内容や遡及適用する場合の考え方について、約6分半の解説動画も公開されています。
■ 改正のポイント
● 施行日
2025年11月20日
● 適用時期
2025年4月1日に遡及して適用
そのため、2025年中に支払った通勤手当は、年末調整で正しい非課税限度額に修正する必要があり、実務上大きな影響が出る改正となっています。
■ 新しい非課税限度額(2025年4月〜)
下記は、片道距離ごとの「改正前」と「改正後」の非課税限度額です。
| 片道の通勤距離 | 1ヶ月当たりの非課税限度額 | |
|---|---|---|
| 改正前 | 改正後 | |
| 2km以上10km未満 | 4,200円 | 4,200円 |
| 10km以上15km未満 | 7,100円 | 7,300円 |
| 15km以上25km未満 | 12,900円 | 13,500円 |
| 25km以上35km未満 | 18,700円 | 19,700円 |
| 35km以上45km未満 | 24,400円 | 25,900円 |
| 45km以上55km未満 | 28,000円 | 32,300円 |
| 55km以上 | 31,600円 | 38,700円 |
■ 年末調整においての実務上の注意点
今回の決定は「年末直前」の発表であるため、非課税限度枠を超えて支給している会社においての実務では混乱が予想されるため、以下の点を早めに確認しておくことをおすすめします。
- 自社で利用している給与ソフトがいつ対応するのか
- 自社で利用している給与ソフトが対応する場合の操作方法(どこまで自動で遡及計算してくれるのか、それとも手動修正が必要なのか等)
年末でお忙しい時期かと思いますが、対象事業所においてはこの改正に振り回されないよう、落ち着いて対応を進めていきましょう。
■参考
国税庁HP:通勤手当の非課税限度額の改正について

