ストレスチェック全事業所に義務拡大へ

労働環境の改善に向けた一環として、厚生労働省はストレスチェックの義務化を従業員50人未満の小規模事業所にも拡大する方針を示しました。義務化の拡大により、中小企業における労働者の心の健康管理が一層重要になります。

改正の背景と概要

これまで、ストレスチェックは2015年から従業員50人以上の事業所に対して年1回実施が義務付けられていました。このストレスチェックは、労働者が自身のストレス状態を把握し、必要に応じて医師の面接指導を受けることを促す制度です。しかし、近年の調査では、精神疾患を発症する労働者数が増加しており、昨年度には過去最多の883人が労災認定を受けるなど深刻な状況が続いています。

こうした状況を受け、厚生労働省は全労働者に対してストレスチェックを受ける機会を提供すべきだとし、従業員50人未満の事業所にも義務化を拡大する方針を示しました。導入は数年後を想定しており、支援体制も整備される予定です。この義務化の拡大は、労働者の心の健康を守るための重要な一歩であり、企業としてもこれに対応するための準備が求められます。

労働者の健康を守るための積極的な対応を

中小企業にとって、ストレスチェックの義務化は業務負担の増加を意味するかもしれませんが、労働者の健康管理を強化することで、職場の生産性や従業員満足度の向上が期待できます。労働者の健康を守ることが、ひいては企業の持続的な成長につながることを念頭に置き、積極的に対応準備していきましょう。