雇用保険の適用拡大を含む雇用保険法等の改正法案が成立
政府は、雇用保険の適用対象を現行の週20時間以上から「週10時間以上」へ拡大する方針を示し、2024年2月9日に「雇用保険法等の一部を改正する法律案」を閣議決定しました。さらに、この法律案は2024年5月10日に参議院本会議で可決・成立しました。
雇用保険適用拡大の背景
近年、女性の社会進出やシニア世代の就労率が増加し、パートやアルバイトなど短時間勤務の労働者が増えています。しかし、現行の雇用保険の適用は週20時間以上働く人に限られており、短時間勤務の労働者は失業や育児休業時に十分な支援を受けられない状況が続いていました。
改正法案の内容と施行時期
改正法案では、雇用保険の適用対象を週10時間以上働く労働者にまで拡大します。この変更は、2028年10月1日から施行される予定です。
影響と期待される効果
この改正により、約500万人の労働者が新たに雇用保険に加入し、給付を受け取ることができるようになります。多様な働き方を支援し、労働者のセーフティネットを強化することが狙いです。加えて、教育訓練やリ・スキリング支援の充実、育児休業給付に係る安定的な財政運営の確保も含まれています。
まとめ
雇用保険の適用拡大により、多様化する働き方に対応し、短時間勤務の労働者も含めた多くの労働者がより手厚い支援を受けられるようになります。企業の人事担当者は、この改正について、適切な対応を心がけることが求められます。さらに、教育訓練やリ・スキリング支援の充実も図られるため、企業としては従業員のスキル向上を支援する取り組みも重要となってくるのではないでしょうか。