退職予定者が勤務中に怪我をしました。退職後も労災申請は可能ですか。

はい、申請することができます。

労働者が業務上の事故で負傷した場合、その治療費用は「療養補償給付」として労災保険から補償されます。そしてこの補償は、雇用関係が終了した後も、治療が必要な期間中は続きます。

また、「休業補償給付」も同様です。これは労働者が業務上の事故により一定期間以上休業せざるを得ない場合に、その収入損失を補償するものです。例えば定年退職の場合退職後には賃金を得ることはないため、理論的には休業損害が生じないかもしれません。しかし、健康であれば退職後も働くことが可能です。その機会を失ったことも損害と考えられるため、休業補償給付は適用されます。

労働基準法第83条及び労災保険法第12条の5で「補償を受ける権利は、労働者の退職によって変更されることはない」と明記されています。

つまり、退職の形態に関わらず、労働者は療養補償給付と休業補償給付を受け続けることが可能です。退職後も労災保険は労働者の治療と収入保障を続ける、働く人々を支える保険です。