特別徴収税額決定通知書のよくある質問

本記事は特別徴収税額決定通知書発送後の顧問先からよくある質問、回答をまとめています。

1.退職または休職した従業員の通知書が届いた。どうすれば良い?

従業員が退職または休職した場合、必要となるのは「給与所得者異動届出書」の提出です。これを提出すると、納税方法は特別徴収から普通徴収(本人が納付する方式)に切り替わります。もし既に提出済みなのに通知書が届いた場合、何らかの行き違いが生じている可能性があります。再度通知書が送られてくるはずですが、なかなか来ない場合は、市区町村にご確認ください。

2.パートの給与収入が年間103万円以下なのに、なぜ住民税がかかる?

これは、所得税と住民税の非課税の上限額や税金の種類が異なるためです。103万円という金額は、所得税の非課税上限であり、一般的にパートタイムの従業員が収入として収める額です。一方、住民税の非課税上限は、住んでいる市区町村によって異なりますが、大体93万円から100万円程度となっています。

3.特別徴収をしている従業員が引っ越した。住民税の納入先はどうなる?

引っ越し(転出)日が令和5年1月2日以降の場合、その年度分の住民税は転出日前の市区町村に納めてください。住民税は1月1日に従業員が居住していた市区町村でその年度分(6月から翌年5月まで)を課税することとなっています。もし誤っている市区町村から通知書が送られてきた場合は「給与所得者異動届出書」に「住所誤報」と記入し、市区町村に提出してください。また、併せて、給与支払報告書を令和5年1月1日時点で居住している市区町村に提出してください。

4. 税額0円と通知された従業員が退職した。この場合も「給与所得者異動届出書」の提出は必要?

はい、必要です。現在の税額が0円となっていても、今後の申告や状況により税額が発生する(課税される)可能性があります。そのため、従業員の異動については、異動届出書の提出を推奨します。

5. 従業員から「給与から特別徴収ではなく自分で納付したい」と言われたが、普通徴収にできる?

給与所得者の個人住民税は、原則として特別徴収の方法で徴収しなければなりません。したがって、従業員の希望により普通徴収を選択することは通常できません。ただし、特例として普通徴収が認められる基準に該当する場合は、普通徴収に切り替えることができます。

6. 給与の支払金額は昨年と変わらないのに、特別徴収税額が昨年度より高い従業員がいる。なぜ?

昨年と同じ給与額でも、医療費控除などの所得控除や給与所得以外の所得の有無により、税額が異なることがあります。詳しい税額の内容については、従業員自身に課税課へのお問い合わせを推奨します。その際、通知書に記載の指定番号と宛名番号を提供するよう、事前に従業員に伝えておくとスムーズです。

以上、特別徴収税額決定通知書に関するよくある質問とその回答についての説明でした。